ブランド・ビルディング・ブロックとはいったい何?
ブランドの成長が課題
マーケティングの考え方には様々なものがありますが、「ブランド・ビルディング・ブロック」と呼ばれるブランドの成長戦略を表すものがあります。
ブランドの成長は、企業にとって重要課題です。
それではこの「ブランド・ビルディング・ブロック」とはいったいどういったものなのか、見ていくことにしましょう。
ブランドの発展を段階的に表す6つのブロック
「ブランド・ビルディング・ブロック」とは、ブランドが消費者に認知される段階を6つのブロックで構成されるピラミッド型で表したもの。
それぞれのブロックは「セイリエンス(salience)」「パフォーマンス(performance)」「イメージ(imagery)」「ジャッジメント(judgments)」「フィーリング(feelings)」「レゾナンス(resonance)」の6つです。
さらにブロックは4つの段階を経て、最下層(4層目)のセイリエンスから、頂点(1層目)のレゾナンスに至ります。
まず最下層(4層目)の「アイデンティティ(identity)」は「セイリエンス(突出性)」のブロックで構成され、ブランドのアイデンティティが他とは違う個性によって突出することから認知されることを指しています。
次の3層目の「ミーニング(meaning)」は「パフォーマンス」と「イメージ」のブロックで構成され、ブランドの意味・価値が性能と印象から成立していることを示しています。
2層目の「レスポンス(response)」は「ジャッジメント」と「フィーリング」のブロックで構成され、消費者の判断や感情が好意的な反応として返ってくる段階を指しています。
頂点(1層目)の「リレーションシップ(relationship)」は「レゾナンス(resonance)」のブロックで構成され、企業などの組織と消費者の関係性が共鳴している段階を示しています。
頂点のレゾナンスが最終目的であることから、レゾナンス・ピラミッドと呼ばれたり、ブランド・エクイティと呼ばれるブランドの見方の主要的な考え方であることから、「顧客ベースのブランド・エクイティ(Customer-based brand equity)」と呼ばれたりすることがあります。
「レゾナンス」を目指そう
ブランド・ビルディング・ブロックの頂点は「レゾナンス(共鳴)」であり、最終目標でもあります。
ブランドはこのブロックを目指すことになります。ブランドはその価値を高めて消費者に認知してもらうことで、LTV(ライフタイムバリュー)として消費者の人生を通して長く愛顧してもらえるようになります。
ブランド戦略は、企業が定義するブランド(ブランド・アイデンティティ)と消費者が認識しているブランド(ブランド・エクイティ)にはギャップがあるので、それを埋めることが重要になります。
長期的で最初の定義に沿った計画を立てなければ、製品の売り上げなどの短期的な指標に頼りがちになり、場合によってはブランドの定義から外れたキャンペーンをしてしまうこともあります。
WEBマーケティングでは、SNSでの爆発的拡散能力を利用したバズマーケティングなどが短期的な視点になりがちです。
WEB上でマーケティングを行う際は、一般的なCMなどよりも慎重になり、否定的反応が起きたときや炎上した際の対処を考えておく必要があります。
「リレーションシップ」の重要性
ブランド・ビルディング・ブロックのピラミッドの頂上は、リレーションシップという層のレゾナンスというブロックでした。
ブランドならびに企業・組織は、常に顧客である消費者とのリレーションシップ(関係)に留意しなければなりません。
これは何もインターネットと関係ない企業だけではなく、SNSを提供している企業、それこそTwitterやFacebook、LINEなどの企業なども消費者との関係からは脱却できるものではありません。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンも同様です。
インターネット上では消費者の視点として、「Googleの顧客とは検索エンジンを利用する一般ユーザーのことではなく、そうしたユーザーに広告を打つ企業などである」というような意見が垣間見られます。
各SNSサイトもプロモーション広告を掲載していますが、一般ユーザーからの反感を買うこともあります。
さいごに:ブランドの認識はインターネット時代でも重要
ブランド戦略はインターネット時代になっても大切なものです。
愛されているブランドは、たとえ不始末があっても、しっかりと対応すれば大きな反感を買うことはあまりありません。
また知名度の低いブランドが、良きにつけ悪しきにつけ、バズなどで認知度が高くなることは往々にしてあります。
しっかりとリスクマネジメントをした上で、ブランド・ビルディング・ブロックの各段階を理解して、効果的にブランドを成長させていきましょう。