ブランド・ロイヤルティとは?
顧客に愛顧してもらう
ブランドという言葉は、現代では高級品志向などのように誤解されているところがありますが、マーケティングとして戦略に取り込む場合は、「ブランド・ロイヤルティ」が大事になってきます。
ではそのブランド・ロイヤルティとはどんなものなのでしょうか?
ロイヤルティは「忠誠心」と訳され、ブランド・ロイヤルティは「そのブランドに対する愛着心・愛顧」といったような意味になります。
一般的にブランドというと「高級ブランド」や「ブランドとしてのロゴ」という意味で使われることがあり、「ブランドもの」という表現などにもその片鱗が見受けられます。実質的には高級であるか否かは重要ではなく、そのブランドに付与されているイメージが重要とされます。
消費者視点のブランドの価値
企業など組織がみずから定義するブランドの印象を「ブランド・アイデンティティ」と呼び、消費者が抱いているブランドの価値を「ブランド・エクイティ」と呼びます。
このブランド・エクイティがしっかりと高められていたり、ブランド・ロイヤルティが高められていたりすると、消費者は安心してそのブランドの商品を購入することができます。
その心理は「しかたないからその商品を買う」というものではなく、しっかりとブランド・エクイティが高められているなら「このブランドが好きだから買う」という形になります。
ブランド・エクイティが高い状態だと、ブランドの商品に不始末があっても、ダメージが大きく広がりません。
新たな顧客を獲得することは大事ですが、すでにブランドを認知してくれている消費者に対してブランド・ロイヤルティを高く維持してもらうことで、企業としても長く愛顧してもらえる可能性が広がるのです。
利便性を向上させよう
利便性というのは、消費者にとって実に重要なものです。
利便性を表す用語として「アクセシビリティ」や「ユーザビリティ」、「ショッパビリティ」などがありますが、企業や販売する側としてこうしたものは実のところさほど重要ではりません。
やはり消費者・顧客が喜ぶからこそ、そこで対策するに過ぎません。
実際のところ消費者の目線になってみると、不便なところより便利なところを利用するに決まっています。
むしろ便利だからこそ好きになる、という方が自然です。
こうした利便性の向上は、ブランド・ロイヤルティを高めるのに一役買います。
現代の便利な生活に慣れると「不便な生活には戻れない」と考える人が多くいます。
それと同様に、利便性の高いサービスはそれだけでロイヤルティが高まり、継続的に利用してもらえる価値となるのです。
SNSで悪評が広がるとロイヤルティが下がる
インターネットでのブランド・ロイヤルティ
インターネット時代の現代、マーケティングに興味のある人で「炎上」という言葉を知らない人はいないでしょう。
炎上の怖いところは、築き上げてきたブランドのロイヤルティや信憑性が瞬く間に崩れてしまう点です。
企業の中には対外的なイメージに頓着しないところもあります。
たとえ批判的意見が集まり炎上したとしても、さほど気にしていないような企業もあります。
しかしブランド戦略を立てているところはそうはいきません。
ブランド戦略をとるというのは、すなわちコミュニケーションとして良好な関係性を築き上げて「気に入ってもらおう」という戦略なので、炎上などはその感情を阻害する最たるものなのです。
批判は自然に発生する
世の中に完全で批判のできないものはありません。
宗教としての神ですら人によって見解が異なるくらいなのですから、商品・サービスにおいては批判的意見の湧出を止めるものなどありません。
なので批判的・否定的意見が現れるのを止めるのは非常な労力です。
炎上において企業の対応はときに「火消し」と呼ばれますが、これに失敗することもブランド・ロイヤルティを下げる要因になります。
小手先で対応するのはむしろ反感を買いがちなので、こうした問題には真摯に向き合う姿勢が求められる。
さいごに:ロイヤルティは愛情でもある
ロイヤルティを「愛情」と解釈すると、たとえば人と人との愛情で「錯覚させる行為」や「騙そうとする行為」が非常に短期的でリスクのある行為であることが分かります。
様々な方向から物事を見て、ブランドを消費者・顧客から愛顧されるべく改善できるように邁進しましょう。